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アンドレ・ナヴァラの芸術 カリオペ録音集成
アンドレ・ナヴァラ(vc) アニー・ダルコ、エリカ・キルヒャー(p)
¥3,850 (税抜き) Calliope CAL 3614 (4CD)
かってチェロの名手といえばフランスの演奏家でした。ナヴァラは他の名手たちに比べると、それほ
ど知名度はありませんが、フルニエの替わりにクレットリーSQに参加、オケ、ソリスト、パリ音楽
院教授も務めました。その熱気に富格別の気品を堪えた演奏の素晴らしは、このアルバムに収められ
たどの曲からも感じられます。ボクサー、スイマーとして活躍したこともあるナヴァラの運動神経の
良さも演奏に現れているのかもしれませんね。バッハ「無伴奏チェロ組曲」を除くカリオペで録音さ
れたもの全収録されています。
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アンヌ・ガスティネル・ボックスセット
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲第2番 ブロッホ:ヘブライ狂詩曲「ソロモン」
ハイドン:チェロ協奏曲第1番、2番 サン=サーンス:チェロ協奏曲
ラロ:チェロ協奏曲 フォーレ:悲歌
アンヌ・ガスティネル(vc) クリヴィヌ指揮リヨン国立管 バシュメット指揮モスクワ・ソロイスツ
¥3,000(税抜き) NAIVE V 4969 (3CD)
デュ・プレの再来ともいえる女性チェリスト、ガスティネルの名演が特価ボックス・セットなりまし
た。ガスティネルは、師匠でもあったカザルスが60年間愛用した銘器「ゴフリラー」の使用を遺族
から認められた実力の持ち主。楽器の力をあますところなく引き出したハイドンは、どこまでも端正
で、おそろしいまでの美しさ、ドヴォルザークの協奏曲の繊細かつ線の太い歌、サン=サーンスの歌
心ある演奏、ただならぬ存在感に圧倒されます。
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ヴィヴァルディ:聖母被昇天のための晩祷(アレッサンドリーニによる再現版)
リナルド・アレッサンドリーニ指揮コンチェルト・イタリーニ ベルタニョーリ(s)
インヴェルニッツィ(s) アンナ・シンボリ(a) フェッラリーニ(t)
\4,500(税抜き) Naive OPUS111 OP 30383 (2CD)
祭司でもあるヴィヴァルディはたくさんの挽課のための音楽を書きましたが、不幸にその音楽が、ほ
とんど部分的にしか残されていません。この「聖母被昇天のための晩祷」もヴェネツィアで演奏した
であろうかたちを再現したもの。2つのオーケストラ編成によるかなり華やかな晩祷。ヴィヴァルデ
ィのきびきびしたリズムが実に心地よい演奏になっています。アレッサンドリーニの再現力に脱帽!
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ヴィヴァルディ:宗教音楽集 Vol.10
グローリアRV.589 ニシ・ドミヌス(遺作・世界初録音)RV.803
<グローリア>の導入歌「深紅色で描かれた女」RV.642
ロバート・キング指揮キングズ・コンソート サンプソン(s) ジョアンヌ・ラン(s)
ディドナト(ms) マサマーズ(ms) セミンゼン(ms) ロビン・ブレイズ(ct)
¥2,100(税抜き) hyperion CDA 66849 (1CD)
遂に完結した宗教音楽全集。フィナーレはコルボの名演で有名になった<グローリア>と去年、イギ
リスの音楽学者タルボットがガルッピの作品として分類されていた楽譜を再鑑定し、「最後の作」と
されている「5つの詩篇晩祷」の1曲であることを発見、センセーショナルになった作品です。(日
本では大した記事になりませんでしたが)初演は昨年暮れに発見場所であるドレスデンで、楽譜も既
に発売されています。3人の女性ソロイストに振り当てられたアクロバティックなフレーズ、「トロ
ンバ・マリーナ・ヴァイオリン」という特殊な楽器に振り当てられたオブリガートは「18世紀のモ
ダン・ジャズ・ヴァイオリン」とでも形容したくなるほど、自由闊達な書法で書かれているのが話題
になりました。詳しくは’03.9.13 の andante.com のHPの記事を。
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ショパン:バラード&スケルツォ
スティーヴン・ハフ(p)
¥2,100(税抜き) hyperion CDA 67456 (1CD)
年間50回以上のコンサートをやっている売れっ子のハフ、日本ではフンメルの協奏曲とソナタの演
奏ぐらいしか知られていませんが鋭い洞察力と知性、クリアーなメロディー・ラインのピアニストで
す。このアルバムはバラードとスケルツォを交互に配置しています。それぞれが個々に独立した作品
ではなく、対で一繁がりのものだと認識し、聴き手にそれを感じて欲しいからだそうです。
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カール・ハインリヒ・グラウン:受難カンタータ《イエスの死》
シギスヴァルト・クイケン指揮ラ・プティット・バンド、 エクス・テンピレ
ウタ・シュワベ(s) デ・クルクハヴェ(s) クリストフ・ゲンツ(t) S.ゲンツ(br)
\2,100(税抜き) hyperion CDA 67446 (2CD)
プロイセン宮廷楽長をつとめたグラウンはテレマンと並び称された高名な人物。この<イエスの死>
は名作といわれ初演以後100年間、毎年受難週間に演奏されました。イタリア・オペラを思わせる
抒情的でのびのびとした旋律旋律を用いた作品。テレマンと好対照(ラムラーの同じテキストでテレ
マンも作曲している)といわれた作品がS.クイケンの入念な演奏で復活したことを喜びたい。
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メタモルフォーシス
スティーヴ・マッキー:ケルン ハムザ・エル・ジン:エスカレイ
ジョーン・ジャルノード:聖餐の場所 田中カレン:ソロモンの雅歌
フィリップ・グラス:メタモルフォーシス・フォー マーク・グレイ:血の赤
ジョーン・ジャンルノード(チェロ、ループ・チェロ、エレクトロニクス)
¥2,150(税抜き) New Albion NA 120 (1CD)
クロノス・クヮルテットの前チェリスト=ジャンルノードのソロ第1弾です。クロノス時代にも増
して自由で創造的な発想で貫かれた「異形のヒーリング・ミュージック?」とも言うべきアルバムに
なっています。自作の「聖餐の場所」は、異様というか不気味な重低音(チェロの音を加工)に生の
チェロが乗っかり、21世紀のバッハのオルガン曲を思わせる荘厳な旋律が奏でます。’98年の八
ケ岳高原音楽祭以来、意気投合した田中カレンの「ソロモンの雅歌」はオルガニストでもある田中
らしい祈りの旋律の美しさがひと際立つ演奏です。今年3月にケント・ナガノ指揮バークレー響で、
田中の新作チェロ協奏曲が初演される(チェロはジャンルノード)予定です。聴けるといいですね。
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J.S.バッハ:アルペジーナによる組曲 BWV1007〜9
ジャン=ポール・ミナリ=ベラ(アルペジーナ)
¥2,200(税抜き) LONG DISTANCE (1CD)
シューベルト「アルペジオーネ・ソナタ」を演奏する楽器を探していたミナリ=ベラが、いびつな胴
と5つの弦を持つ楽器「アルペジーナ」の出会い、音域的にヴィオラとチェロの間を受け持ち、かっ
て聴いたことのない独特の音色に魅せられ、この楽器の魅力を引き出してくれる曲をアルバムにして
くれました。この楽器は子供用の左右非対称の小型ヴィオラをフルサイズに発展したもです。ミナリ
=ベラはフランス国立管の主席を務めたこともある、現代フランスを代表するヴァイオリニスト。
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ブルックナー交響曲第8番ハ短調 (ハース第2稿)
マルクス・ボッシュ指揮アーヘン交響楽団
¥2,150(税抜き) COVIELLO COV 30301 (1CD+5.1ch dts DVD.A.)
ドイツ最古のオーケストラの一つ名門アーヘン交響楽団150周年ライヴ。ユネスコ世界遺産として
知られている古都アーヘン、聖ニコライ教会でのライヴ。アーヘン響はあまり録音が無いのですが、
ドイツの名門、R.シュトラウス、ワインガルトナー、プフィッツナー、カラヤンら錚々たる指揮者
が振ったオケ。たっぷりした残響のある大聖堂の中で録音されたブル8は、「黙示録的」。演奏も立
派。おまけがDVDオーディオ(dtsサラウンド対応)お持ちの方には嬉しいディスク、巨大聖堂
の中に瞬間移動したような錯覚に。
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アメリカン・エンジェルズ〜希望、贖罪、栄光の歌
アメイジング・グレイス、朝のトランペット、 ポーランド、アマンダ、甘美なる朝の祈りの時、他
アノニマス4
¥2,200(税抜き) harmonia munndi FRANCE HMU 907236 (1CD)
若きアメリカ(18,19世紀)の清新な雰囲気を表現したアルバム。野外伝道集会で歌われた宗教
歌などを集めています。ヘンドリックスのようなカントリー風でなくヨーロピアン、当時はやはりこ
のような感じだったんでしょう。ロシア語で歌われている「アメイジング・グレイス」と聴き比べる
のもいいかも(アンジェラス 新世界:SRCD−2)
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J.S.バッハ:ロ短調ミサ曲
ユングヘーネル指揮カントゥス・ケルン J.コスロフスキ(s) E.ポピエン(a)
S.シュレッケンベルガー(bs) H.J.マメル(t)
¥4,000(税抜き) Harmonia mundi France HMC801813 (2SACD)
シュヴァイツアー著作の中に「かくしてバッハはひとつの終焉であり、バッハからは何も生ずること
なく、すべてが導かれていくのだった」という記述がありますが、この終焉を代表する作品は、「
マタイ」でなくこの「ロ短調ミサ」だと私は、確信しています。この曲の名盤は、エネスコ、カラヤ
ン(’50)と連続してあったのですが、その後半世紀ばかりこれはというもにがありませんでし
た。それが今、冒頭の「キリエ」から鳥肌の起つ「耽美の世界・豊かな響きに包まれる至福のとき」
に導いてくれる演奏に出会えました。ユングヘーネルはリュート奏者から指揮者になり、10年ぐら
い前にDHMから発売した「モテット集」に、表現のきめこまやかさに感服しましたが、ここまにな
るとは想像もしていませんでした。
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ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番、第2番
クリシティアン・ツィマーマン(pf) 小澤征爾指揮ボストン交響楽団
¥2,427(税抜き) ユニバーサルM. UCCG-1182 (1CD) 初回ゴールド
\2,000(税抜き) DG 459 6432 (1CD) 輸入盤
ショパンの協奏曲以来のツィンマーマン新録音は、最近のヒット曲でもあるラフマニノフの協奏曲。
「疾風怒涛的な感覚にあふれ、初恋のような感情に満ちています。」とツィマーマンがこの曲を評
しているとおり、彼の思い描いたどおりの演奏に仕上がっているようです。小澤=ボストン響という
息の合った好サポートを得てますし、彼のロマンティクで完璧を求める情熱が感じられる演奏です。
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ショスタコーヴィッチ:ピアノ作品集
ピアノ・ソナタ第2番、3つの幻想的舞曲、5つの前奏曲、映画<馬あぶ>から小品
映画<馬あぶ>からスペイン舞曲、<7つの人形の踊り>から抒情的ワルツ
バレエ<明るい小川>から夜想曲、格言集、バレエ<黄金時代>からポルカ
ウラディーミル・アシュケナージ(p)
¥2,427(税抜き) ユニバーサルM. UCCD 1105 (1CD)
\2,700 (税抜き) DECCA 470 6492 (1SACD-Hybrid) 輸入盤
指揮者としての活動が脚光を浴びることが多い近年ですが、ピアニストしての活動も大切にしてきて
います。ショスタコーヴィッチの作品も交響曲の録音だけでなく、<24のプレリュードとフーガ>
を録音し、「絶ちがたい絆で作品と聴き手とを結び合わせる名演集」と高い評価を受けました。今回
はシリアスな作品から映画音楽の編曲までヴァラエティ豊かな選曲で、作品の真っ向から取り組み、
円熟のきわみに立つピアニストとしての存在感を感じさせてくれます。
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ファルケンハーゲン:リュート・ソナタ集 Op.1(第1番〜6番)
アルベルト・クルニョーラ(リュート)
¥1,850(税抜) Symphonia SY 03204 (1CD)
ヴァイスにも師事したこともある、バロック時代末期を代表する、最後の重要なリュート奏者・作曲
家であるファルケンハーゲン。壮麗なバロック様式に基礎をおきつつ、ギャラント様式の萌芽を感じ
させる、煌びやかで優雅な世界に誘ってくれます。
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ストラヴィンスキー:音楽劇《兵士の物語》組曲、11の楽器のための《ラグタイム》
音楽劇《兵士の物語》より小さなコラール、協奏曲変ホ長調《ダンバートン・オークス》
弦楽のための協奏曲《バーゼル協奏曲》、小管弦楽のための組曲第1番、2番
パーヴォ・ヤルヴィ指揮ブレーメン・ドイツ・カンマーフィル
¥3,000(税抜き) PentaTone PTC5186 046 (1SACD)
シンシナティ響の日本ツアーを成功させたヤルヴィのペンタトーン第1弾です。ヤルヴィ家の長男
パーヴォはハーディングの後任としてカンマーフィルの音楽監督に最近就任しましたが、’95年
から客演しこの室内オケの指揮者というより、奏者の一人になっていると言われるだけあって、難
曲「ダンバートン・オークス」を軽やかに、ヴァイオリンのソロの部分もピタリと決めています。
今後このコンビでリリースされるベートーヴェンの交響曲全集も大いに期待が持てます。
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ヤナーチェク:シンフォニエッタ,ダラス・ブーリバ
「利口な女狐の物語」組曲 嫉妬 「シャールカ」序曲 「シャルークとヤユ」、他
サー・チャールズ・マッケラス指揮チェコ・フィル
¥3,400(税抜き) SUPRAPHON SU 3739 (2CD)
デッカの名演(’80・VPO)から20年ぶりの「シンフォニエッタ」、「ダラス・ブーリバ」の
再録音は、チェコ・フィルとの理想的な組合せになりました。過去にもターリヒ、アンチェル、ノイ
マンらとモラヴィアの音楽の素晴らしさを広めたチェコ・フィルとヤナーチェク作品を永年採り上げ
てきたマッケラスの出会いが生んだ、総決算的な意味を持つアルバム。主要な管弦楽作品を網羅して
いるのもポイント。
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R.シュトラウス:歌曲集
ノクターンとファンタジー、花々、告別と子守歌、子供たちと失恋
フェリシティ・ロット(s) グレアム・ジョンソン(p)
¥2,100(税抜き) ASV CDDCA 1155 (1CD)
独特の憂いの染みた歌で後期ロマン主義音楽に抜群の適正を持つ名歌手フェリシティ・ロットの
R.シュトラウスの歌曲集です。以前オーケストラ伴奏のものがシャンドスから発売されていま
すが、本格なシュトラウス歌曲はリート・ファン待望の作品。テーマごとに分類された選曲も素
晴らしい。年末にaeonから発売されたフランス歌曲集も素晴らし出来でしたが、こちらも期
待どおりのアルバムです。
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ヒルデガルト・フォン・ビンゲン:王の花嫁
レヴェルディー、ロベルト・スプレマッリ指揮サン・ボルトロ小合唱団
¥2,300(税抜き) Arcana A314 (1CD)
80年代にゴシック・ヴォイセズの名演で、復興した世界最古と言われる女流作曲家ヒルデガルト。
90年代のなってヒーリング・ミュージックが流行り出し、セクエンティアの名演により再認識さ
せられたヒルデガルト。最新の研究成果を反映し、より昇華した姿を聴けるアルバムの登場です。
貴族出身で15歳から神の道に仕え、生まれながらに超自然宗教的幻視の能力を持ち、神を内なる
ものとして感じることができたといわれる人物の新たなる探求は、従来の中世音楽の常識を覆すよ
うな内容が随所に盛り込められたこのアルバムから始まるでしょう。
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シベリウス、ハチャトゥリヤン:ヴァイオリン協奏曲
セルゲイ・ハチャトリャン(vn) エマニュエル・クリヴィヌ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィア
¥2,050(税抜き) NAIVE V 4959 (1CD)
\2,667(税抜き) キング・レコード KKCC-4379 (1CD)
18歳の新人の登場です。シベリウス国際コンクールで最年少優勝して注目され、ハチャトゥリヤ
ン生誕100年コンサートでも高い評価を受けました。強烈な民族色を持つこの作品を洗練された
解釈と透明な音色でこなしているのが魅力です。クリヴィヌはヴァイオリニストだった(交通事故
で挫折)だけに、リズム感の良さからも解りますがこの若者を好サポートしてます。クリヴィヌが
日本で売れなかったのはDENONがヘタ?
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ヨーゼフ・ハイドン:オラトリオ「天地創造」
アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
ドロテア・レッシュマン(s) ミヒャエル・シャーデ(t) ゲルハーヘル(br)
¥3,600(税抜き) BMG(DHM) BVCD 34016-7 (2CD)
CMW創立50周年記念演奏会ライヴ、17年ぶりの再録音の「天地創造」の登場です。前回はダス
アルテ・ヴェルクからウィーン響を指揮し、グルベローヴァ、プロチュカ、ホルという名歌手を揃え
高い評価を受けました。当時のアーノンクールはモダン楽器を使用してピリオド楽器的演奏様式を取
り入れた独自の刺激的な解釈を行う指揮者としてセンセーショナルを巻き起こし始めていたころでし
た。今回は古楽演奏の礎を築いたパイオニア的存在であるCMWが、かってのライヴァルであるDH
Mから初登場です。自ら創立したアンサンブルを指揮し今が旬の実力派歌手を揃え、より深く作品の
核心に迫る円熟の解釈を成し遂げており、ピリオド楽器による屈指の名演ではないでしょうか。
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ショパン・リサイタル 1950.6.19 モスクワ
スヴャトスラフ・リヒテル(p)
¥1,900(税抜) ANKH (カナダ)200301 (1CD)
リヒテルはコンサートでショパンの曲を4600回以上演奏しましたが、オール・ショパンのプログ
ラムは2,3回しかありません、’34のオデェサに次ぐ2回目でチャイコフスキー・ホールでの録
音、’52のモスクワでの4曲も収録されています。一部はロシアン・マスターから発売されていま
が、今回は、全曲収録されており正規音源からで、以前のものよりクリヤーな音で若くして彼の演奏
スタイルが確立されていたのが解ります。カナダの新しいレーベル「アンク」(リヒテルが身に着け
ていた十字架に由来するのかも)からで、これからもリヒテルの貴重な音源でリリースするみたいで
す。日本で人気のあるリヒテルだけあって、解説に日本語訳(直訳)付です。
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J.S.バッハ:オルガン名曲集
ジグモンド・サットマリー(org)
¥2,718(税抜き) BMG(RCA) BVCC 31076 (1CD)
オルガンの巨匠サットマリーがRCA録音した2枚ののアルバムから、実に四半世紀ぶりのバッハ
の新録音です。前回はシュニットガー製のオルガンでしたが、今回はヘンデルやモーツァルトも弾い
たことのある聖パーヴォ教会のミュラー製オルガン。同郷のゲンツが補筆完成させた「コントラプン
クトゥス第14番」の世界初録音と有名曲を収録したアルバムは高度なテクニックと力強さの前回か
ら豊かな音楽性に溢れた巨匠としての風格のあるものになりました。前回を敬遠された方に、一度聴
いてほしいものです。
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バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽&弦楽のためのディヴェルティメント
アーノンクール指揮ヨーロッパ室内管弦楽団
¥1,950(税抜き)BMG(RCA) 82876-59326 (1CD)
\2,427(税抜き) BMG BVCC-34109 (1CD) 国内盤
バロックから時代を追って作品のレパートリーを開発してきたアノンクール、初のバルトークの録音
ウィーン響時代はチェロ奏者として何度も演奏した知りつくした曲を、いつもの通り全く新しい視点
でスコアを徹底的に研究し、衝撃的なバルトーク解釈で個性的なオーケストレーションの妙を聴かせ
てくれます。フリチャイ、ブーレーズなどとも異なる解釈、そして手兵ともいうべきCOEとのコラ
ボレーションが魅力です。次のモツレクも期待大。
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アルヴォ・ペルト:クレド ジョン・ココリアーノ:ファンタジア・オン・オスティナート
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番<テンペスト>、合唱幻想曲
バッハ:<平均率クラヴィーア曲集>第1巻から<第1番プレリュード>(国内盤のみ)
エレーヌ・グリモー(p) ペッカ・サロネン指揮スウェーデン放送響・合唱団
¥2,427(税抜き) UNIVERSAL UCCG 1184 (1CD)
\2,000 (税抜き) DG 471 7692 輸入盤 (1CD)
移籍第1弾、ブリリアント(BRL92117)から DENON 時代の5枚が廉価盤でセット化され、再評価さ
れるようになりました。このアルバムは、野生狼の保護活動でも知られるグリモーらしく、「人間愛」
をテーマにした選曲のようです。円熟味の出てきたグリモーとサロネンという理想的な組合せの「合
唱幻想曲」は、第9と肩を並べられるほどの作品に聴こえのがスゴイ。国内盤にはフランス限定盤の
ようにバッハのオマケ付、国内盤の方がお買い得です、なぜならこの曲でこのアルバムが完結するか
らです。(アヴェ・マリアでテーマが終演)
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ミエチスワフ・カルウォヴィチ:復活交響曲ホ短調
交響的プロローグ<ビアンカ・ダ・モレナ>〜《白い鳩によせる曲》
弦楽オーケストラのためのセレナード ハ長調
ジャナンドレア・ノセダ指揮BBCフィル
¥2,100(税抜き) Chandos CHAN 10171 (1CD)
ポーランドの天折の天才作曲家カルウォヴィチ。交響詩<永遠の歌>などの収録したアルバムが高
い評価を受け、ようやく世界のクラシック・ファンに知られるようになりました。BBCフィルの第
2弾は、指揮者がノセダに代わり最も規模の大きい<復活交響曲>に挑んでいます。4楽章からなる
シンフォニー、原題は“Odrodzenie” 広義の「再生」でマーラーの「復活」とはニュアンスが違い
こそすれ、聴き手を圧倒せんばかりのエネルギーを放出する音楽です。ブルックナー、チャイコフキ
ーを連想するところもあり、この辺の有名交響曲に飽きた人にオススメ。
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C.Ph.E.バッハ:鍵盤楽器のための性格的な小品集
トム・ベガン(クラヴィコード) ヤン・ヴァン・エルサッカー(t)
¥2,300(税抜き) Eufoda EUFODA 1347 (1CD)
Wq.117を中心とした作品であろうと推測される曲を集めた作品集。ベガンは Claves ベート
−ヴェン:ピアノ・ソナタ全集に参加していたフォルテピアノの権威。演奏者としては知られていま
せんが、かなりの研究家らしいです。このCDはCD−ROM層があり、(PDFファイル)エマヌエルと
同時代の画家ホーガスの画集(それぞれの曲にあてがったエッチング絵画)が収録されています。
風刺画同様に愉快な曲ばかり、コーヒー・タイムにどうぞ。
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モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」 2002年収録
ズービン・メータ指揮フィレンツェ5月祭管弦楽団・合唱団
エヴァ・メイ ライナー・トロースト マルクス・ヨーン パトリツィア・チョーフィ
¥4,800(税抜き) TDKコア TDBA−039 136分 (1DVD)
若きモーツァルトの覇気と才気に満ちた音楽は、アイケ・グラムスによるシンプルで色彩豊かな舞
台とあいまてって魔法の園に遊ぶようです。コンスタンツェは来日時の、アディーナ役で人気もの
になったメイ、イタリアを代表するようになったコロラトゥーラのコンスタンツェ役が印象的。今
を代表する歌手達のモーツァルト、演奏はベテランのメータの指揮、オペラの3大音楽祭の一つ『
フィレンツェ5月祭』だけのことはあります。
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ヴェルディ:歌劇「オテロ」
レヴァイン指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団 モシンスキー:演出
ルネ・フレミング プラシド・ドミンゴ ジェイムズ・モリス
¥3,500(税抜き) DG 073 0929 (1DVD) 日本語字幕なし
1996年の収録ながら、ソフト化されていなかったMETプロダクションによる「オテロ」。オ
テロと言えばデル・モナコ、ヴィッカーズ、そして90年代はやはり、ドミンゴ。デズデモナはこ
の公演で一気にスターダムにのし上がったフレミング、「指環」のヴォータンとはまた異なる役作
りで懐の深さを見せるモリスのイアーゴと、最高のキャストを揃えた名舞台です。
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グレゴリー・ソコロフ〜ライヴ・イン・パリ (シャンゼリゼ劇場ライヴ)2002
ベートーヴェン:ピアノソナタ第9、10、15番(田園)
コミタス:ピアノのための6つの舞曲 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」
他、アンコール曲
¥3,600(税抜き) Naive DR 2109 123分 (1DVD)
鬼才モンサンジョンが「ミケランジェリ、グールド、リヒテル亡き後現代における最高のピアニス
ト」と評したロシアのピアニストは、’66年、16歳でチャイコフスキー・コンクールの栄光を
手にして以後、ほとんど録音を世に出さない謎の多い演奏家。モンサンジョン監督はその天才に撮
影を意識させず、音楽に集中したソコロフの生の姿を捉えています。ピアノ・ファン必見の作品で
す。観客も大盛り上がり、濃厚な音楽性に衝撃を受けます。
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モーツァルト:歌劇「コシ・ファン・トゥッテ」
バレンボイム指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団・合唱団 2002年収録
ドロテア・レッシュマン カンマーローアー ミュラー=ブラッハマン ギューラ
¥5,800(税抜き) TDK TDBA 38 179分(1DVD)
演出がドイツを代表する女性人気映画監督ドリス・デーリエ、オペラ・デビュー作品です。トレン
ディ・ドラマのような<コジ>ですが、ドイツではバカウケでケント・ナガノが指揮した「トゥー
ランドット(ベリオ版)」の演出もバカウケ、ドイツではテレビで見るドラマよりも劇場で見るオ
ペラの方が身近なのでしょう。日本人には音楽だけ聴いた方がいいかも、バレンボイムの演奏も素
晴らしいし、若手の歌手も絶妙の出来。
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