コンセール新譜情報

バックナンバー Vol.15 2003.11.21

    
バックス:交響曲全集
        
       ヴァーノン・ハンドリー指揮BBCフィル
      
      ¥8,400(税抜き)  Chandos   CHAN 10122  (5CD)
    
 今年はバックス没後50周年、Chandosは管弦楽作品、ピアノ作品など再編集してMidプライスで再
 発しますが、交響曲は新録です。以前の故トムソン/アルスター響の演奏はバックスが偉大なシン
 フォニストたちの系譜に互してひけをとるものではないことを教えてくれた名盤でしたが、Chandos
 がさらなる決定盤を送り出して来ました。バックスの命日(10月3日)に時期を合わせBBCラジ
 オ3の特別プログラムで、数日の分けてオンエアされました。’70年代からバックスの録音の手
 を染めていたハンドリーならでは解釈が加わった「壮大なる名演」と評されています。世界初録音
 となる《ローグの喜劇序曲》と《ティンタジェル》も収録されています。
  
エルガー:ヴァイオリン・ソナタ  バックス:ヴァイオリン・ソナタ第2番

         タスミン・リトル(vn)  マーティン・ロスコー(pf)

      ¥2,300(税抜き) GMN.com   GMNC 113 (1CD)
      
  2,3年前からWeb siteで発売され話題になったアルバムが一般販売されるようになりました。
 ラトル/ベルリン・フィルの演奏会でのソロをつとめ株価うなぎ昇りのタスミン・リトル。来年2
 月の来日リサイタルが楽しみです。最近EMI cfpから発売された「ヴァイオリン名曲集第2集」は
 新録で魅力的な演奏が何で“廉価盤”なのか不思議です。得意曲がサクストン、フィンジ、ペルト
 などマニアックな曲ばかりなので、評価が低いのかもしれませんがこれから期待出来る人です。
 このアルバムもイギリス、アイルランドの郷愁を感じる彼女ならではの演奏です。
      
ゲオルグ・ベーム:鍵盤楽器のための組曲集、前奏曲とフーガ ト短調

 ミッツィ・メイヤーソン(cemb)
  
 \3,300(税抜き)  Glossa  GCD 921801 (2CD)

  大バッハに多大な影響を与えたベームだが、この組曲集は有名であるにも関わらず、全11曲を収
 めた録音はあまりありません。(第5組曲は偽作の可能性有ですが)充実した楽曲解説、メイヤー
 ソンへのインタビュー記事「奇妙な天才:ゲオルグ・ベーム」が分冊としてわざわざ付いていると
 ころあたりGlossaの質の高さに感激します。メイヤーソンのソロは初めてだと思いますが、ビオン
 ディやパンドルフォのよきパートナーとして活躍しているだけのことはあります。彼女の研究心は
 レオンハルト並みかも。録音場所はベルリンの有名な邸宅ジーメンスヴィラです。
  
ジャン・クラ:歌劇「ポリフェーム」

  ブラムウェル・トーヴィー指揮ルクセンブルク・フィル、合唱団
  アルマンド・アラピアン  ソフィー・マリン・デゴール  ヤン・ブーロン

¥6,900(税抜き) Timpani  3C3078  (3CD)

  ジャン・クラの Timpani 第5弾はアルベール・サマンの台本による全3幕の大規模なオペラ、クラの
 代表作です。1922年オペラ=コミック座で上演されていますが録音には恵まれませんでした。海軍少
 将であったクラはデュパルクに短期間師事しただけでほとんど独学で作曲を学んだだけですが、特に
 オーケストレーションはドビュッシー、ラヴェルやイベールに負けないぐらい色彩感覚に溢れ、洗練
 されたもの。まさにフランス音楽の愛好家にとって朗報に違いないでしょう。
なんと甘い悲しみ・「リュート=ハープシコード」で奏でるダウランド     

  ジョン・ポール(リュート=ハープシコード)   
 
¥2,000(税抜き) Centaur   CRC 2610(1CD)

 バッハが好んだ楽器といわれるリュート=ハープシコードによる演奏。ダウランドのリュート作品を
 弾く試み。やはり聞き慣れた名曲が全く違って聞えてきます。こういう演奏もありかも。
武満 徹:ピアノ作品集

     ポール・クロースリー(p) 
  
    \2,300(税抜き)  GMN.com   GMNC 114 (1CD)

 ロジャー・ウッドワードと並んで武満徹と親交があったピアニスト、クロースリー。来日演奏会では
 僕の大好きな曲だからといってアンコールで武満作品を採り上げたり、追悼曲も演奏しただけあって
 まさに武満のスペシャリストによるアルバムになっています。ドビュッシーやラヴェルでの演奏で魅
 せてくれた正確なテクニック、個々の音符の表情の正確さ、和音の構成音のバランス、ペダリング
 武満ファン必聴の盤でしょう。追悼曲「ア・ヴィジョン・オヴ・タケミツ」も収録されています。
 GMN というレーベル、他にプロコフィエフの名手マクダモットのアルバムもリリースしてますし、
 通好みでは。
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」 第4番「イタリア」

   準メルクル指揮NHK交響楽団       2001
   
   ¥2,580(税抜き)   Altus   ALT 57 (1CD)

  ’01年N響の演奏会で好評だった「スコットランド」がCD化になります。管楽器泣かせのこの曲
 にさすがN響という妙技で聴かせくれますし、重厚なバスも往年のドイツの指揮者を思わせる充実し
 た重みが感じられます。「イタリア」は明るさ、リズムの切れまの美しい歌。感動の一枚ですね。
 「トウキョウ・リング」も好評だしウィーン国立歌劇場でのオペラも高い評価を受けているようです
 が海外でCDのリリースが少ないのが残念です。オペラ指揮者としての演奏を聴きたいものです。
 ボンファデッリの「椿姫」あたりをCD化してくれると彼の実力が判ると思うのですが。アメリカで
 不評なのが影響しているのかも。(オペラは大御所しか録音出来ない現状ですけれど)
シューマン:チェロ協奏曲イ短調  ヒンデミット:チェロ協奏曲
 
    ポール・トルトゥリエ(vc)  ドラティ指揮BBC響  ダウンズ指揮ニュー・フィルハーモニア管

¥2,000(税抜き) BBC LEGENDO  BBCL 4133 (1CD)

 トルトゥリエの得意曲シューマン。EMIで息子ヤン・パスカルと録音していますが、今回はテクニ
 ック絶頂期の’62年の録音(モノラルなのが残念)。芯のしっかりした音色と明快に弾き切るスタ
 イルで人気を博したフランスの名手の代表作。アーベントロート盤からは一回りしか経っていないの
 に演奏は二周りも大きくなっています。ヒンデミットも御前演奏会もしただけのことはあると思いま
 す。

ベートーヴェン:歌曲集
    
    ディートリヒ・ヘンシェル(br)   ミヒャエル・シェーファー(p)
  
¥2,200(税抜き) harmonia mundi france  HMU 901801 (1CD)

 フィッシャー=ディースカウの正統を受け継ぐバリトンと言われ、オペラなどで大活躍中のヘンシェ
 ルの待望のベートーヴェンです。アーノンクールの「マタイ受難曲」で、そのまろやかな声が俗っぽ
 く、正にユダという感じが印象に残っていますが、今回のベートーヴェンもそのハリのある美声で楽
 しませてくれます。伴奏はワインみたいな名のシェーファー、多くのピアニストを育てている名手だ
 けあって抜群の出来。《ポロネーズ》、《ファンタジー》のソロ曲がまた素晴らしい。音もきれいだ
 し実に雄弁。歌もピアノもピチピチみずみずしく、聴いていて幸せにしてくれるCD。ワインは辛口
 ですが(独ミヒャエルシェーファー)こちらチョッピリ甘口。
セグルビョルンソン:アイスランド現代音楽作品全集
 苔のかけら  ディアフォニー  氷河のノクターン  フルートと弦楽のためのコロンバイン
 歩様  霜

    アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団
   
¥2,857(税抜き) EXTON  OVCL-130 (1CD)

 日本人にとってあまり馴染みがなく、断片的なイメージしか持っていないような気がするアイスラン
 ド。地理的環境などから生れた独自の風土、独自の文化が脈々と受け継がれる地で生まれ育った作曲
 家セグルビョルンソンは、その「アイスランドの自然」をテーマに数々の曲を世に送り出し続けてき
 たアイスランドを代表する作曲家に一人です。夫人の祖国であるアイルランドの国籍を取得してるア
 シュケナージがその愛する国の自然、文化、そして耳を傾ければ風の音、潮の音、馬達の駆け抜ける
 音、寒い冬の暗さ、短い夏の白夜の輝き・・・アイスランドの大自然の光景を眼前に広げてくれます。
 アイスランド響は歴史の浅いオケですが、名門オケで経験を積んだプレイヤーが多く、近年脚光を浴
 びてきています。
ショパン:作品集
      
       サ・チェン(p)
          
      ¥2,900(税抜き) ビクター VICC 60347 (1CD)
      
  最近、日本のメーカーはクラシックから撤退気味ですが、ビクターが将来性のある新人をリリースし
 てくれることは誠に有意義です。今回は’01年の来日(静岡・青嶋ホール)以来徐々にファンを増
 やしているサ・チェンです。このCD録音は南足柄文化会館。彼女は子供のころ重慶から四川まで夜
 行列車にのってレッスンを受けた努力家、リー・ユンディと同じダン・ツァオイに指導を受け奨学金
 でギルドホール音楽演劇大学で学びました。2000年ショパン国際コンクールでは4位でしたが、
 天才肌のユンディよりも努力のチェンが大きく羽ばたくかもしれません。それほど可能性の秘めたア
 ルバムになっています。音楽界にとって有人宇宙船並の衝撃になったらねぇ・・・。
望郷のバラード
    望郷のバラード  アヴェ・マリア(グノー、シューベルト) シャコンヌ(ヴィターリ)
    愛の悲しみ   夢のあとに  スペインのセレナード  ロマンス ほか

   天満敦子(vn)   吉武雅子(pf)

  ¥2,857(税抜き) キングレコード KICC 423   (1CD)
 
 天満の看板曲「望郷のバラード」10周年記念の新録音です。(無伴奏版とピアノ伴奏版の2種)
 ルーマニアの「薄幸の天才作曲家」ポルムベスクの「望郷のバラード」をメインにお得意曲を集めた
 ベスト・アルバムになっています。暖か〜い部屋で一人で聴くのアリかも。
ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」             1983.11.7

   カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団
   
¥1,800(税抜き) ORFEO   ORFEOR 600013  (1CD)
 
 待望のC.クライバーの新譜です。この曲の唯一の録音「田園」、ミュンヘンでの熱狂ライヴが正規
 盤で登場。以前WLC,COCOMなどから海賊盤が発売され「伝説の名演」と言われたアルバムが
 オルフェオがクライバーの許可を得て万全の体制で赤レーベルから出ます。この日の演目であるハイ
 ドンの「驚愕」が収録されていないのが残念ですが、これが「巨匠の演奏」というものが無くなって
 きているクラシック界にとって最高のクリスマス・プレゼントですね。クライバー・ファンにとって
 も’77.7.31の「バラの騎士」に(IMD)に続く朗報です。
ザルツブルク・コンサート 1953.8.1
    ヴェルディ:「シチリアの晩鐘」序曲、ベルリオーズ:ローマの謝肉祭
    R.シュトラウス:「死と変容」   ラヴェル:ラ・ヴァルス

  ヴィクトール・デ・サバタ指揮ウィーン・フィル

   ¥1,650(税抜)   IDIS   IDIS 6416  (1CD)

 イタリアの熱血見境無し男、デ・サバタがザルツブルク音楽祭に参加しウィーン・フィルを指揮した
 演奏会の全曲です。たぶん初CD化、彼独特のキレた演奏を代表するアルバムだと思います。「ロー
 マの謝肉祭」は団員の戦々恐々とした緊張感、さらにラスト近くのビシィとした神業ともいえる縦の
 揃い方。さらにド迫力の「死と変容」とウィーン・フィルが顔を歪ませて必死の形相に感じられる様
 は名演というよりは爆演でしょう。
R.シュトラウス:映画版《薔薇の騎士》 1926 映画のためのスコアより

 マレク・ヤノフスキ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団

   ¥4,300(税抜き) CAPRICCIO  60097  (2CD)
       \5,200(税抜き)国内仕様 M60097
  
  オペラ《ばらの騎士》が空前の大成功を収めた14年後の無声映画「ばらの騎士」ドイツ表現主義映
 画の名匠ヴィーネ監督作品。音楽はオペラをもとにシュトラウス作曲し、ドレスデン、ロンドンの
 初上映では自ら指揮したそうです。現在、最後の部分が欠落した復元フィルムしか残っていません
 が、2000年<東京の夏>音楽祭で生演奏付きで上演され、大きな話題を呼びました。この時はサロ
 ン的な小編成にアレンジされたものでしたが、このアルバムは大編成オケによる映画版を完全収録
 したもの。旧作の素材を使いながらもまるで新作のような感銘を与え、しかも酔わせどころを的確
 にとらえたシュトラスの腕には感銘するしかないでしょう。指揮はもうすぐ来日するヤノフスキ。
 『指環』もBMGから再発され、ドイツ・オペラにおける彼の指揮ぶりが再評価されて来ています。
ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲第1番、2番  シチェドリン:ピアノ協奏曲第2番

  マルク=アンドレ・アムラン(p)  アンドルー・リットン指揮BBCスコットランド響
   
¥2,100(税抜き) hyperion   CDA 67425 (1CD)

 “One of our records of the year!" という hyperion のコメントがついた自信作だけあのこと
 はあるアルバム。指揮はかって「ピアニスト」として弾き振り(DELOS) したリットン。この曲を知
 りつくした彼ならでは好サポートを得てのびのびとした好演奏になっています。アムラン・ファン
 は来年2月の東フィルの定期が待ちどうしくなるでしょう。シチェドリンのピアノ協奏曲は終楽章
 に、カプースチンばりのジャズ・トリオの書法まで登場する楽しめる曲です。SACDも近日発売
ビオンディ  OPUS111時代のイタリア・バロック集
   ボッケリーニ:弦楽三重奏曲集    ジェミニアーニ:合奏協奏曲集 Op.3
   ロカテルリ:合奏協奏曲集、フルート・ソナタ   タルティーニ:ヴァイオリン・ソナタ
   17世紀イタリアのヴァイオリン音楽

   ファビオ・ビオンディ(vn)   エウローパ・ガランテ、トリオ・エウローパ・ガランテ
   リナルド・アレッサンドリーニ(cemb)

   ¥4,400(税抜き)  naive   OP 30389 (5CD)

 OPUS111から発売されていた5枚をセット化したものです。マイナーレーベルでブレイクしたアーテ
 ィストがメジャーに移るとつまらなくなるというのはよくある話ですが、ビオンディもそのキライ
 があります。イタリア野朗のラテンの血が騒ぐ荒武者ぶりで、触れると火傷しそうな熱い噴出しが
 メッポウ面白かった頃の演奏です。
  
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」組曲  幻想的序曲「ロメオとジュリエット」 
   ウェーバー:「オベロン」序曲  グラズノフ:「ステンカ・ラージン」

     レオ・ボルヒャト指揮ベルリン・フィル

  ¥2,150(税抜き) TAHRA   TAH 520  (1CD)
  
 “悲劇の指揮者”ボルヒャトのCDが遂に発売されます。戦時中レジスタンス活動をし、終戦後ベ
 ルリン・フィルに復帰後、僅か三ヶ月で去ったドイツ人指揮者です。カラヤン、チェリビダッケ、
 ヴァントらに負けない才能があったことをこのアルバムを聴かれたら感じることでしょう。実に惜
 しい! なお、「ステンカ・ラージン」は長くフルトヴェングラーの演奏とされていたものです。

 
イグナツ・モシュレス:性格的な練習曲集、2つの練習曲 Op.98,105
        4つの演奏会用練習曲 Op.111  演奏会用練習曲 Op.12

  ピアーズ・レーン(pf)
 
¥2,100(税抜き)  hyperion  CDA 67394  (1CD)

   古典派とロマン派のはざまに時代を生きたモシュレスの練習曲集は、同じタイトルで演奏会用の
 作品を書いたショパン、シューマン、リストらに決してひけを取らない見事なもの。演奏はサン=
 サーンス、スクリャービンの練習曲(hyperion)で水際だった演奏が好評だったオーストリアの名
 手ピアース・レーンです。

 
オットー・ニコライ:歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」

   ヘルムート・フロシャゥアー指揮WDR放送管弦楽団   ユリアーネ・パンゼ
      レジナ・クレッパー、 フランツ・ハウラタ   ハインツ・ツェドニク
     
    ¥4,300(税抜き)  Capriccio  60094   (2CD) 

  「ニュー・イヤー・コンサート」で序曲だけはお馴染みの作品。最近忘れ去られた作品ですが、過
 ってEMIからヘーガー指揮バイエルン国立管で名盤で歌手もフリック、ケート、フィシャー=デ
 ィースカウという豪華メンバーでした。今回の歌手陣はバンゼ、ヘンシェル、ハウラタとうい知名
 度では劣るかもしれませんが、この曲にあったベストな起用ですのでなかなか楽しめる!ブックレ
 ットも108Pの豪華版です。
  
リスト:オラトリオ「キリスト」
    
     スヴェトラーノフ指揮モスクワ音楽院交響楽団・合唱団    2000.4.22  モスクワ・ライヴ
 ガリーナ・ボイコ(s)  オルガ・アレクサンドロワ(ms)  アレクセイ・マルティノフ(t)

    ¥2,400(税抜)  Polysound KBS  (韓国KBS放送局)  (2CD)
 
 スヴェトラーノフがこんな曲まで振っていたとは!声楽作品はロシアもの以外あまりなく、このよ
 うな宗教作品とは意外な感じです。’83年のエルガー「ジェロンティアスの夢」(ME) 以来の宗教 
 曲、今回はより壮大なスケールのキリスト一代記を描いた宗教大作です。このような曲を敬虔な曲
 調を主体に、よりスケールの大きな演奏をするとはさすがです。地味な曲でこれだけの感銘を受け
 ると驚きでした。 
 装丁はDVDサイズで、CD2枚組。ジャケット・解説・歌詞ともに英語表記。
 
モーツァルト(フンメル編):ピアノ協奏曲第20番、25番(室内楽版)

    白神典子(p)  ヘンリク・ヴィーゼ(fl)  ペーター・クレメント(vn)
         ティボル・ベーニ(vc)
     
¥2,200(税抜き)  BIS    BIS 1147 (1CD)
  
   ショパンやベートーヴェンのピアノ協奏曲の室内楽版で話題になった白神典子、次なるシリーズは
 モーツァルトの愛弟子ネポムク・フンメルが室内楽に編曲したもので、今回が第1弾です。もちろん
 世界初録音。フンメルはオーケストラ・パートを室内楽用に直しているだけでなく、ピアノのパート
 も自分の時代流(ロマン派風)にしているのが興味深く、単にピアノの音域が拡大されているだけで
 なく、モーツァルトがたぶん考えなかったような装飾音が多用されているのに驚かされます。モーツ
 ァルト・ファン待望の一枚。  
モンテヴェルディ:宗教作品全集 Vol.
   
  ロバート・キング指揮キングズ・コンソート、合唱団   カロリン・シンプソン(s)他
  
   ¥2,100(税抜き) hyperion  CD A67428  (1CD)
      \3,000 (税抜き) hyperion  SACD 67428  (1SACD)

 リストのピアノ作品全集、シューベルト歌曲全集、ロマンティック・ピアノシリーズなどハイペリ
 ンのプロジェクトは全集として網羅しているだけでなく、その作品にあった演奏家による完成度の
 高い演奏などが評価出来るが、今回も期待を裏切らない内容だ。歌手も素晴らしいし、録音もフィ
 リップ・ホッブス(LINN)の手による優秀録音。コルボ以来の感動を呼ぶ第1弾です。
 
ニコラ・ヴァレ:「ミューズの秘密」
      
    ポール・オデット(リュート)

  ¥2,200(税抜き) harmonia mundi   HMU 907300  (1CD)

  東インド会社、レンブラント、スウェーリンク、フェルメールと、繁栄を謳歌していたオランダのリ
 ュート音楽の巨匠ヴァレの作品集。彼の作品は、リュートという楽器が持つ機能を十分に活用し、適
 切な装飾で流麗な旋律の美しさを増し、舞曲特有の力強いリズムで曲を支えるという特徴をもってい
 ます。オデットの演奏は、特に曲の美しさとリズムとのバランスに配慮した心地よさにあり、今やリ
 ュート演奏の第一人者になってきました。
タルティーニ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ集

  エンリコ・ガッティ(vn)  ガエタノ・ナッシロ(vc)   グイド・モリーニ(cenm)

¥4,600(税抜き) ARCANA  A 420  (2CD)
 
  先日の来日演奏で、聴衆を大いに沸かせたガッティの最新録音です。作品1と2からの選曲ですが、
 あの有名な<悪魔のトリル>は収録されていませんし、偽作の疑いのある曲も含まれていません。
 <悪魔のトリル>を無伴奏版に編曲したバロック・ヴァイオリンの名手が非難されて以来「悪魔」ア
 レルギーのあるガッティ、彼のこだわりは今回のブックレット「くたばれ、悪魔!」と題された一文
 に寄せられています。タルティーニへのこだわりが生んだアルバム、聴き応えありますよ。
バーバー:交響曲第1番   シューマン:交響曲第4番

      サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団

       ¥2,400(税抜き) BRYN  PRIVATE 1  限定盤  (1CD)

 80才を祝うコンサートのライヴ録音。得意のシューマンは堂々として重厚さたっぷりで終楽章のコ
 −ダのおそめのインテンポぶりが印象に残ります。バーバーも聴きもの、単一楽章の交響曲のためか
 色彩豊かに演奏しようとしてかえって重くドロドロした、ワーグナー曲をくたびれさしたような感じ
 なってしまうのを、さりげなく少しロマン派のような感もする活気あふれる曲として演奏しています。
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲    チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲

  パヴェル・シュポルツル(vn)  アシュケナージ指揮、ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィル

   ¥1,700(税抜き) Supraphon  SU 3709 (1CD)

 スークを思わせる美しい官能的な音色を奏でるシュポルツル。「弦の国」チェコを代表するヴァイオ
 リニストになってきました。アシュケナージの指揮は木嶋真優の時もでしたが、若手の生き生きした
 音を引き出すのが実に素晴らしい。ぐいぐいと音楽を引っ張るヴァイオリンとオケが応えて一体化し
 たハーモニーの美しさはヴァイオリン好きにはたまりません。
 
モーツァルト:歌劇『魔笛』

 コリン・デイヴィス指揮コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団・合唱団
  ヴィル・ハルトマン  ディアーナ・ダムラ  ドロテア・レシュマン
  フランツ=ヨーゼフ・ゼフリート  サイモン・キーンリーサイド  アイリッシュ・タイナン

  ¥4,100(税抜き) BBC  OA0886D  (1DVD)  約185分  日本語字幕なし
 
 今年1月ロイヤル・オペラにおいて上演された「魔笛」。モーツァルト指揮者C.デイヴィスとマ
 クヴィカーの演出によるものです。バックステージを追ったBBCの番組などを含むエクストラ・
 フィーチャーが収録されていて、見所満載です。イギリスのオペラ演奏らしく伝統的ながら親しみ
 あるもの。オペラの定番ともいえる曲を新鮮に味あわせてくれるのが、素晴らしいです。
  
レスリー・ギャレット  ライヴ・アット・クリスマス

  レスリー・ギャレット(s) シボンジル・クマロ(vo)  ホセ・クーラ(t) 他

       ¥2,400(税抜き) BBC/OPUS ARTE  OA 0884D  60分  (1DVD)

 イギリスで人気のソプラノ、レスリー・ギャレットが贈るクリスマス・ショー。ゲストも素晴らし
 く、映画「リプリー」で有名になったジャズ・トランペッターのガイ・バーカー、南アフリカのシ
 ボンジル・クロマ、そしてホセ・クーラ。お寒い時代ですが、クリスマスは華やかな雰囲気になり
 ましょう。
ヴェルディ:「リゴレット」
  
 マルチェッロ・ヴィオッティ指揮ヴェローナ・アレーナ管弦楽団・合唱団
    レオ・ヌッチ  インヴァ・ムーラ   アキレス・マチャード  マリオ・ルペーリ

    ¥4,800(税抜き) TDK  TDBA 32  134分(1DVD)  

 今やオペラ・フェスティバルでイタリアの夏の風物詩となったヴェローナ・アレーナからヴェルデ
 ィ・バリトンとして人気のヌッチ(リゴレット)と新進の人気ソプラノ、ムーラ(ジルダ)の登場
 で話題をあつめた’01年のヴェローナでの《リゴレット》です。去年、新国立劇場での『椿姫』
 ヴィオレッタ役でアンドレア・ロストと人気を二分したムーア、ヴェルディ・ソプラノとして期待
 大です。

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