コンセール新譜情報

バックナンバー Vol.14 2003.10.07

    
J.S.バッハ:イギリス組曲
        
       アンジェラ・ヒューイット(pf)
      
      ¥4,200(税抜き)  HYPERION  CDA67451  (2CD)
    
 「現代におけるバッハの女神」による独奏作品もうすぐ完結(次回「小品集」)です。来日公演(
 来年2月)の演目はこの「イギリス組曲」第4番、6番と「ゴルトベルク変奏曲」の予定です。
 このCDを聴くと是非、生で聴きたくなります。生き生きとしたバッハを演出するすばらしさは、
 テューレック、ニコラーエワらにもない魅力です。一貫した明晰なタッチとしなやかさがたまら
 なく好きになります。ブックレットの解説も自ら記していて、その研究、分析、考察には驚かさ
 れます。期待を裏切らないピアニストになりましたね。
  
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集  (未発表録音)
             (14番は2種)           1970年10月,11月 ライヴ

         ディーノ・チアーニ(pf)
      
      ¥7,700(税抜き) DYNAMIC  CDS432 (9CD)
      
  チアーニのBOX第3弾は(DYNAMIC、伊PHILIPS)なんとベートーヴェンのソナタ全集!おそらく
 LPでも発売していないはず。夭折のピアニストといえば、カペル、リパッティは有名ですが、意
 外と知られていなかったチアーニ。相次ぐCD化で日本でも話題になってきました。同世代のポリ
 −ニよりも評価の高かったと言われていますが、聴くと納得されるでしょう。平凡な演奏なのに個
 性的、なんともいえないニュアンスがあり再度聴きたくなるのが不思議。
      
うるわしのヴァカンス
   グノー、サン=サーンス、ラロの歌曲と二重唱

 ソフィー・マラン=ドゥゴール(s) クレール・ブリュア(ms)   セルジュ・シフェルステン(p)
  
 \2,500(税抜き)  alpha  alpha 033  国内盤 (1CD)

  “旅行”をテーマにした、19世紀フランスの歌曲集。このふたりの歌手は日本では知られていな
 が、情感の完璧にコントロールされた歌のうまさが、彼女たちの今後を期待させてくれる。夏の浜
 辺で心から洒落た雰囲気を楽しみ、香り立つような歌を聴き、冷えたワインを飲む。気分は最高!
  
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番    シューマン:幻想小曲集

  アルゲリッチ(p)  クレーメル(vn)   バシュメット(va)    マイスキー(vc)

¥2,427(税抜き) UNIVERSAL  UCCG 1121 (1CD)

  発売延期になっていた夢の共演アルバムが遂に発売です。アルゲリッチ、クレーメル、マイスキー
 らのゴールデン・トリオは’98年東京で素晴らしい感動を与えてくれましたが、またあの感動を
 甦らせてくれました。ブラームスの青年期の作品は豊かなロマンティシズムとセンティメンタリズ
 ムを蓄えた曲。シューマンはロマン的な側面が深く投影された作品。これを完璧に表現出来るのは
 このメンバーだけでしょう。
佐藤聰明:歪んだ時の鳥たちU  ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
メシアン:主題と変奏  武満 徹:妖精の距離   ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ     

   アン・アキコ・マイヤーズ(vn)  リ・ジャン(p)   
 
¥2,100(税抜き) AVIE  AV 24(1CD)

 AVIE 移籍第1弾です。メーカー(BMG)からはアイドル的演奏を要求された感があり、演奏の志向
 性もヴァイオリンを変えるなど試行錯誤あったマイヤーズですが、今回は彼女の主張というかこだわ
 が相当に反映されているようです。選曲もフランスにあこがれた武満、日本にあこがれたメシアン、ド
 ビュッシーと日系2世のヴァイオリニスト、それぞれの相関関係を投影したようなアルバム。<歪んだ
 時の鳥たち>は来日公演、ほかリサイタルなどでも取り上げているお気に入り曲。実力派と呼ばれて当
 然になりました。9月25日のニューヨークのリサイタルから来春にかけたツアーで真価を発揮するで
 しょう。
リスト:交響詩ピアノ・デュオ版 

   前奏曲、ハンガリー、フン族の戦い、タッソ、英雄の嘆き、理想、オルフェウス、マゼッパ
   ハムレット、山上にて聞きしこと、プロメテウス、祭典の響き

     ブダペスト・ピアノ・デュオ(p) 
  
    \4,100(税抜き)  HUNGAROTON  HCD 41005 (4CD)

 既発の4枚がセットになってお値段は半分。TVの通販商品のセリフみたいですが、ピアノ音楽ファン
 のとって朗報です。リストといえばピアノ音楽。聴けば歴然。楽器を知り尽くし演奏効果を考え抜いた
 響きの豊かさは、驚異的というか原曲がピアノだったのではというか、とにかく新しい発見がいっぱい
 です。
フランツ・アントン・ホフマイスター:クラリネットとピアノのための6つの二重奏曲集

   チャバ・クレニャーン(cl)  イルディコー・Cs・ナジ(p)
   
   ¥4,100(税抜き)   HUNGAROTON  HCD 32058 (2CD)

  今月もクラリネット愛好家必聴の一枚があります。モーツァルトの弦楽四重奏曲第20番に名前のあ
 るホフマイスターは楽譜出版者。作曲家としてもかなりの作品を残したらしですが、クラリネット協奏
 曲ぐらいしか聴いたことがなっかたのですが、この世界初録音のソナタ集、大作曲(モーツァルト、ハ
 イドンら)たちの成功を支えた楽譜の達人ならではセンスの良さを感じる作品です。大満足!
アントワネット  パリからの絵葉書
 
      唐澤まゆこ(s)  ケネス・ヴァイス(fp)   アントワンヌ・パロック(p)

¥2,677(税抜き) ユニバーサルM. UCCD-1097 (1CD)

 エクサン・プロヴァンス音楽祭の来日、今春のいずみホールでのリサイタルが好評だった唐澤まゆこの
 デビュー・アルバムはおとなのためのフレンチ・アルバム! 最近の新人邦人女性歌手はアイドル的な
 アーティストばかりでしたが、久々に実力があり、音楽センス豊かで、フランスの高貴な香りの漂う新
 人の登場です。古楽の権威ウィリアム・クリスティに認められ、レザール・フロリサンに参加、フラン
 ス生まれのごとくに融けこんだ雰囲気が素晴らしい。選曲も得意のM.アントワネット、マルティーニ
 から始まり最後に「枯葉」(コズマ)、愛のささやき(M.ルグラン)で終わる。正に気分はパリ。

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱付」
    
    フルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団・合唱団     1954.8.8 バイロイト
      ブロウエンシュティン(s)  マラニウク(ms)  ヴィントガッセン(t)
  
¥2,000(税抜き) Music & Arrts  M&A 1127 (1CD)

 9月17日の朝日新聞夕刊(音楽展望)に吉田秀和氏が第九の演奏は?と聞かれたら、「やっぱり’5
 4のバイロイトで聞いた第9をあげるだろう」という記事が載っていたら、なんとそのCDが世界初発
 売されます。以前DR社から劣悪な音質のものが8日、9日の両日共発売されていましたが、今回幻と
 か、EMIに眠っているとも言われた音源をM&Aが発掘!去年は新録が話題の第9でしたが、今年は
 伝説の名演もの続々登場して来ます。
ショパン:ピアノ協奏曲第2番   レーヴェ:ピアノ協奏曲第2番
  
   児玉麻里(P)  ケント・ナガノ指揮ロシア・ナショナル管弦楽団
   
¥3,000(税抜き) Penta Tone  PTC 5186 026 (1SACD)

 ご主人ケント・ナガノとの共演。今年2月にモスクワで録音されたもの。来日に遇わせたかのような
 発売になりましたが、前作同様に期待を裏切らないアルバムです。ショパンの有名な協奏曲、名盤が
 多い曲ですが、ロシアのオケとは思えないほど優雅で繊細なショパンになっています。そして聴いた
 ことのないレーヴェ、歌曲は有名ですがピアノ協奏曲があったとは知りませんでした。もう「秘曲」
 なんて呼ばせない堂々とした作品になっています。
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱つき」
      
       テンシュテット指揮ロンドン・フィル、合唱団     録音:1985.9.13 ロンドン
     ヘガンデル(s)   ホジソン(a)  ティアー(t)  ハウエル(bs)
          
      ¥2,000(税抜き) BBC LEGENDS   BBCL4131  (1CD)
      
  BBCテンシュテット・シリーズの第1弾は、がんの告知を受けてロンドン・フィルの主席指揮者を
 辞する直前のライヴ。CD−R盤(RARE MOTH)の正規盤で、自身の運命に立ち向かう生命力の塊と化
 した迫力、アダージョでの陶酔を誘う美しさ、そして終楽章の白熱ぶりがより鮮明に蘇りました。復
 帰後の’91ライヴも早く正規盤で発売してほしいものです。
マーラー:大地の歌
      (インタヴュー付)

   ルドルフ・ケンペ指揮BBC響  ルドヴィク・スピース(t) ジャネット・ベイカー(ms)

  ¥2,000(税抜き) BBC LEGENDS  BBCL4129   (1CD)
 
 「復活」の次は「大地」です。ケンペがマーラーを演奏していたことを知らなかったのですが、スケ
 −ルが大きく心地よく包んでくれる魅力ある演奏です。最晩年の録音で、彼にとって最後の大仕事だ
 ったのかも知れません。歌手も英国を代表するベイカー、カラヤンお気に入りのスピース。フェリア
 ー以来の名演かも。インタヴューではクレンペラー、ワルター、フルトヴェングラーについて回想し
 ているのも注目です。
モシュコフスキ:20の小練習曲
   ブラームス(モシュコフスキ編):ハンガリー舞曲集(1−10番)

   エスタ・ブジャージョ(p)
   
¥2,100(税抜き) Pro Piano  PPR224536  (1CD)
 \2,667 (税抜き) キングレコード KKCC-4372 (国内盤)
 
 ピアノの教材として知られている「20の小練習曲」ですが、以外にCDが無かったのです。インド
 ネシア人のピアニスト、ブジャージョはゴドフスキの「ジャワ組曲」で話題になりました。今回もた
 だの練習曲だけではなく、美しいメロディとおしゃれな感性あるピアノ小品集として十分魅力的なア
 ルバムになっています。ハンガリー舞曲もブラームスの編曲よりもモシュコフスキの編曲の方が、華
 麗に聞えます。ピアニストの上手さなのか楽譜の良さなのか、私には解りませんが。
ドミニク・アージェント
    グイーディの館   メッゾ・ソプラノとオーケストラのための5つの歌曲
    クラリネットとオーケストラのためのカプリッチョ「パリのロッシーニ」
    音楽を讃えて    オーケストラのための7つの歌

  大植英次指揮ミネソタ管弦楽団  フォン・シュターデ(ms)    バート・ハラ(cl)

   ¥2,100(税抜)   REFERENCE  RR 100  (1CD)

 「モロッコからの手紙」「水鳥の話」などで知られているアメリカの作曲家,アージェント(1927− )
 の作品を収録したアルバム。大植がコンサートなどでよく採り上げている作曲家です。今回は名歌手
 のフォン・シュターデをフィーチャーし、女流詩人ブラウニングが妹に送った手紙をテキストに用い
 た作品「グィーディの館」などです。彼ならではレパートリーでしょう。
J.S.バッハ:平均率クラヴィーア曲集 第1巻、第2巻

 ミカエル・レヴィナス(pf)

   ¥5,550(税抜き) ACCORD  476 1054  (5CD)
  
  野平一郎のコラムによく登場するレヴィナス。父は有名な思想家エマニュエル・レヴィナス、作曲家
 でもあり阿部加奈子、鈴木純明らの師としても知られています。この演奏は彼の作品からは想像も出
 来ないほど心地よいのです。でも彼の特長である明快な対位法的テクスチュアによるところでしょう。
 楽譜どおりによる演奏なので5時間あまりですが、これほど至福にしてくれたのはフィッシャー以来
 の平均率ですよ。
モーツァルト:オルガン作品集
   アダージョとフーガ ハ短調(ギュー編曲)  ライプツィヒのジーグ  アンダンテ ヘ長調
   アダージョとアレグロ ヘ短調   ソナタ変ロ長調(ギュー編曲) 幻想曲ヘ短調  他

   ジャン・ギュー(org)
   
¥2,100(税抜き) France PHILIPS  476 1205 (1CD)

 フランスを代表するオルガニスト、ギューの新録です。彼の幅広いレパートリーからモーツァルトを
 巨匠の域に達してから採り上げたのはこの作品の真の素晴らしさを伝えたかったような気がします。
 モーツァルトのオルガン作品をこれほどまでに演奏した奏者はいません。改めて彼の偉大さを知るア
 ルバムです。さらに喜ばしいことに’60年代から’70年代にかけてPhilips に録音されたものが
 復刻する予定らしいです。
コリン・マクフィー:バリ島の儀式の音楽 2台のピアノと管弦楽のための<タブー・タブアン>
ブリテン:バレエ<パゴダの王子>から組曲(ミッチェル&クーク編)

    スラットキン指揮BBC交響楽団  ブリテン、マクフィー、バーリー、アレイ(p)

   ¥2,100(税抜き)  Chandos   CHAN10111 (1CD)
       \3,000(税抜き)  Chandos   CHSA 5017  (1SACD)

 ブリテンと交流があったマクフィーを「エスニック」というキーワードでリンクさせたコンセプト・
 アルバム。民俗音楽学者でもあるマクフィーがガムランを採譜して、2台のピアノのためにアレンジ
 した作品はマクフィー自身とブリテンが’41年録音したもの。次の<タブー・タブアン>はガムラ
 ン旋法が縦横に駆使され、ジャズとラテン=アメリカ音楽の要素まで取り込まれた作品。<パゴダの
 王子>は、第3幕でガムラン音楽の影響を受けた作品。ブリテンの弟子で、マーラー研究の権威ミッ
 チェルとマーヴィン・クークの共同作業により発表された「組曲版」。名匠スラットキンによる世界
 初録音です。
  
フォーレ:レクイエム、ラシーヌ賛歌、エレジー、パヴァーヌ 
   
   パスカル・トルトゥリエ指揮BBCフィル、バーミンガム市響合唱団
    クラブトリー(s)  プラザス(s)  スティーヴン(ms)  ロビンソン(t)

  ¥2,100(税抜き) Chandos   CHAN10113  (1CD)
     \3,000(税抜き)  Chandos   CHSA 5019  (1SACD)
  
 BBCフィルの桂冠指揮者であるトルトゥリエの師はナディア・ブーランジェ。定評あるフランス音
 楽プログラムは師ゆずりでしょう。<レクイエム>のカップリング曲はフルオケ・ヴァージョンでの
 演奏があまりない曲が収録されているのも、喜ばしい。

 
テレンス・ジャッドへのオマージュ U
  スカルラッティ:ソナタメD39   ハッハ:平均率クラヴィーア曲集第1巻から
  ハイドン:ソナタ第20番   チャイコフスキー:炉辺にて   ラヴェル:鐘の谷、  他

  テレンス・ジャッド(pf)
 
¥1,800(税抜き)  Chandos Historical  CHAN H 10150  (1CD)

   '75年のブゾーニ国際コンクールで優勝し、将来を嘱望されながら4年後謎の死を遂げた夭折のピ
 アニスト、ジャッドのオマージュ第2弾です。今回も宝石箱のようなアルバム、それぞれの曲が自己
 主張しているというか、いずれの演奏も彼の感性が反映している独自の魅力を味わうことができます。
 美人薄命ならぬ天才薄命なのかも。
 

 
イギリス・ルネサンス・バラッドの調べ    ダウランドとその時代

    ナイジェル・ノース(リュート)
     
    ¥3,000(税抜き)  LINN   CKD 176   (1SACD) 

  バッハのリュート演奏の現代の第一人者ともいうべきノースのニュー・アルバムは、イギリスのリュ
 −ト音楽の黄金時代とも言うべきダウランドを中心にした作品集。バッハにおいて多彩な表現力で魅
 了させてくれましたが,今回もリュートの魅力たっぷりの演奏です。
  
モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」            1943.4.3
    
    パウル・ブライザッハ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、合唱団
     ピンツァ、 バッカローニ、ミラノフ、 ノヴォトナ、 サヤン、  メルトン

    ¥2,400(税抜)  Guild Historical  GHCD 2236  (2CD)
  
 40年代メトの人気曲<ドン・ジョヴァンニ>は、ワルターの’42のライヴが有名ですが、ブライ
 ザッハの演奏はワルターとは対照的に喜劇性のある演奏です。特にレポレロ役のバッカローニの歌は
 キプニスと違い陽気で明るい。主役は当時完璧なドン・ジョヴァンニ役と称えられたエツィオ・ピン
 ツァですし、アンナ役のジンカ・ミラノフ、オッターヴィオ役のジェームズ・メルトンも素晴らしい
 出来です。当時の人気曲ならではの豪華メンバーとメトの好サポートを得た名演です。
 
ドイツ名序曲集  
  <オイリアンテ><オベロン><ハンス・ハイリング><ウィンザーの陽気な女房たち>
  <リエンツィ><フィンガルの洞窟><真夏の夜の夢>の序曲

    ティーレマン指揮ウィーン・フィル
     
¥2,427(税抜き)  ユニバーサル  UCCG 1173 (1CD)
  
   「英雄の生涯」が好評だったティーレマンの「ドイツ名序曲集」は来日を記念して日本先行発売です。
 カラヤンの後継者と言われながら録音に恵まれなかったティーレマンですが、ベルリン・ドイツ・オ
 ペラ、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、バイロイト音楽祭など世界のオペラハウスで活
 躍。ウィーン・フィルでもそのスケールの大きい指揮が高い評価を受けるようになり、次々と名演を
 リリースするようになりました。今回も音楽の美しさと演奏の美しさが渾然一体となった魅力的なア
 ルバムです。後はオペラものが出たらね。    
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲  R.シュトラウス:交響詩《ドン・キホーテ》
   
  メータ指揮ベルリン・フィル  ミッシャ・マイスキー(vc)  タベア・ツィンマーマン(va)

   ¥2,427(税抜き) ユニバーサル UCCG 1172  (1CD)

 15年振りの再録ドヴォコン。より完璧な演奏を求めるマイスキーのメータ&ベルリン・フィルのバ
 ックを得たアルバムはこちらも来日(ラトヴィア響)記念先行発売です。もちろん演目になっていま
 す。前回(バーンスタイン&イスラエル・フィル)以上に作品の本質に迫る気迫に圧倒される演奏に
 なっています。
山田耕筰:序曲 ニ長調、交響曲「かちどきと平和」、交響詩「暗い扉」「曼陀羅の華
      
    湯浅卓雄指揮アルスター管弦楽団、ニュージーランド交響楽団

  ¥9,00(税抜き) NAXOS  8.555350J 日本語解説付  (1CD)

  名前だけは誰でも知っている山田耕筰、でも歌曲以外はあまり知られていません。「日本最初の管
 弦楽と交響曲」なのに。管弦楽作品は山田一雄、外山雄三らが録音していますが知名度はないでしょ
 う。今回、初録音となる「序曲」など日本人初の管弦楽作品は新たなる発見というか西洋音楽との出
 合いの感動を受けます。二つの交響詩は僅か一年ぐらいしか離れたいない作品なのに同じ作曲家とは
 思えないほどスタイルが変化しています。いままでにない音楽体験をさせてくれるアルバムです。
 ピアノ作品なども録音してもらいたいものです。
ペルゴレージ:サルヴェ・レジナ、 スターバト・マーテル

  クレマンシック指揮クレマンシック・コンソート    ファン・デア・スルイス(s)
  ジェラール・レーヌ(ct)   ファビオ・ビオンディ、ヒロ・クロサキ(vn)

¥1,400(税抜き) ACCORD  464 2362  (1CD)
 
  アコール総カタログ付(昨年はオッフェンバッキアーナ)CDは今年も名盤の復活です。クレマン
 シック・コンソートが古楽のリーダーとして活躍していた’80年代、まだ無名だったビオンディ、
 クロサキがバロック・ヴァイオリンで参加。名カウンターテナー、レーヌの無垢な純粋さのある歌声
 正に当時の最高のメンバーによる演奏でしょう。
ヴォルフ:メーリケ歌曲集(全53曲)

      フラウケ・メイ(ms)   レンツィコウスキ(p)

       ¥1,100(税抜き) ARTE NOVA  74321-97127  (2CD)

 レーガーの歌曲集が好評だったメイ。今回は女声によるものは珍しいメーリケ歌曲、しかも全曲です。
 メイは若手の歌手らしいですが、自分の歌いたい曲を歌っているみたいで、その曲の第一人者のよう
 な感じを受けます。懐に優しい価格で満足度バツグンのアルバムです。
シベリウス:ヴァイオリン協奏曲

  イダ・ヘンデル(vn)  ラトル指揮バーミンガム市響             1993

   ¥1,800(税抜き)  TESTAMENT  SBT 1333 (1CD)

 3回目の来日で話題のヘンデルです。前回の来日で「伝説の演奏家健在!」と評判になりました。そ
 の来日の5年前、ロイヤル・アルバート・ホールでの録音です。シベリウスの協奏曲はベルグルンド
 EMI盤が名盤として知られていますし、<シベリウス・メダル>を受賞したシベリウスの名手なの
 です。今回の来日もラトル、彼女を好サポートする信頼度抜群であうんの呼吸の指揮者を得て、また
 輝きだした第1弾のアルバムではないでしょうか。ハッシドと同じ年の生まれ、当時70歳とは思え
 ない情熱的な演奏。この後バッハの無伴奏、アシュケナージとの競演と続く精力的活動する原点とな
 った作品。
 
カルク=エーレルト:室内楽曲集
     三重奏曲ニ短調、無伴奏クラリネット・ソナタ、クラリネット・ソナタ第2番
     木管五重奏曲ハ短調

   チャバ・クレニャーン(cl)  カーリ・フォニェーディ(ob)   ガーボル(pf)
      ロズマーン(cl)  ジェルジ・ラカトシュ(fg)  ショエーシュ(hrn)  チズマディア(コーラングレ)

   ¥2,050(税抜き) HUNGAROTON  HCD 32166  (1CD)  

  ドイツ近代オルガン音楽のレーガーの並ぶ大家カルク=エーレルト(エラート)の室内楽作品、前
  回はフルートが主体でしたが、今回はクラリネットです。レーガーにも似たオルガンの厚ぼったい
  響きのシブイ室内楽作品。珍曲好きなCPOからも発売していない作品、たまにはいかが。
カールマン:喜歌劇「チャルダッシュ姫」

 メルビッシュ湖上音楽祭管弦楽団、 ヴェラ・シェーンベルク   マーカス・ウェルバ  
    フェルディナンド・ボスメル       ORF2002


  ¥3,700(税抜き) VIDEOLAND  VLMD 9  (1DVD)  約132分
 
 NHK・BS放送でおなじみのメルビッシュ湖上音楽祭のライヴ映像です。CDはお土産用として
 録音(アルテノヴァ)されたものですが映像はTV放送されたもののようです。去年の年末に発売された
 ビデオのDVDです。歌手は日本ではあまり知られていませんが、オペレッタを楽しむには十分な
 メンバーです。日本語字幕はありませんがオペレッタ・ファンを満足させる内容だと思います。他
 にも「微笑みの国」「ウィーン気質」「こうもり」「ヴェネツィアの一夜」などが発売されていま
 す。
  
ドニゼッティ:歌劇「愛の妙薬」

  オルミ指揮東京フィル、藤原歌劇団合唱部   ルキアネッツ(s)  サッバティーニ(t)
    デ・カロリス(bs)  ヴェッチャ(br)   五十嵐麻利江(s)  ウーゴ・デ・アナ演出

       ¥5,500(税抜き) ラ・ヴォーチェ LVVC-004  135分  (1DVD)

 NHK芸術劇場にて放映され話題になった「愛の妙薬」がDVD化されました。’02年8月 新
 国立劇場での公演からです。奇才ウーゴ・デ・アナの斬新な演出も素晴らしいし、アディーナ役の
 ルキアネッツの美声と可憐な舞台姿が魅力的です。ベルカントの新しい女王と呼ばれるようになる
 かもしれません。この「愛の妙薬」のメイキングというか舞台裏を撮影した「オペラはこうして創
 られる」とうDVDも発売されています。本編を見られて気に入られたならば、是非メイキングも
 見ていただきたいです。 (「ルチア」もDVD化される予定)
ヴィクトリア・ルキアネッツ&市原多朗
  
 マッツォーラ指揮東京フィル、 谷藤万喜子(fl)

    ¥3,500(税抜き) ラヴォーチェ LVVC-007  94分(1DVD)  

 今年1月 オーチャードホールでのコンサート映像です。新国立劇場「愛の妙薬」「ルチア」に出演
 し観客を魅了したルキアネッツとわが国を代表するテノール市原多朗との共演、「椿姫」はダブルキ
 ャストでアルフレート役がアルバレスだったので多分初共演だと思うのですが、<パリを離れて>な
 ど息のあった熱い競演になっています。市原は日本を代表するテノールですが国内で録音されたもの
 が殆どありません。貴重な映像かも。

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